メモリーズオフ6 ~T-wave~

電撃G’sマガジン 2008年08月号掲載
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5pb.としての初のナンバリングタイトル

KIDが倒産し、5pb.としてリリースした初のナンバリングタイトルです。
これを機にいろいろなものを見直そうということになり、タイトルの正式表記がカナになったのもその一つです。
作品のコンセプトは「一作目のオマージュ」。
キャラクター同士の関係性や、イベントビジュアルのカメラワークなどにそれを思わせる要素を込めました。
物語も、今回はいわゆる"修羅場"要素はなくそうかということになりました。
それが大きな話題を呼んだのは『2nd』の話で、一作目にはありませんでしたしね(笑)。

演出面でのチャレンジと苦悩

過去作のオマージュだけではなく新たなこともやろうという思いから、本作はシリーズで唯一、オープニングムービーの一部にアニメを使用しています。
Production I.Gさんによるアニメは僕らもとても満足していますが、一方で、制作コストという意味ではなかなか厳しいものがあり……(苦笑)。
アニメを取り入れるならいっそのこと、もっとガッツリとやってもよかったかもしれませんね。

本作のリードプラットフォームはPS2でしたが、その後、PSPとXbox 360にも移植をしました。
それは4:3と16:9という二通りの画面比率を意識して作る必要があったということです。
ヒロインたちと会話しているだけのシーンでも、背景を横方向に大きく取ればキャラが相対的に小さくなってしまいますし、かといってキャラを大きく表示すると、今度は腰より上しか画面に入らなかったり……。
SD画質からHD画質へと移行する節目の時期でしたので、難儀しました。

キャラクターに関する想い出

ヒロインたちの中では、嘉神川クロエと春日結乃が人気でした。
メインヒロインがトップを取ってくれないのは、もはやシリーズの伝統ですね(笑)。
メインを張った遠峯りりすと箱崎智紗は、奇しくも二人とも犬っぽい女の子になりました。
散歩に連れていくと、リードをぐいぐい引っ張って飼い主を振り回すのがりりすで、
何をするにもまず許可を求めてくる忠犬タイプが智紗……そんな印象です。

智紗といえば、当時、僕とシナリオの日暮茶坊さんで「脚本上、そうする(イメチェンする)必要があったとはいえ、メガネっ子からメガネを外したままにするのはもったいない!」と意気投合しまして。
その結果、ファンディスクの『メモリーズオフ6 Next Relation』では、彼女がずっとメガネをかけたままでいてくれる分岐を用意しました(笑)。