メモリーズオフ 2nd

電撃G’sマガジン 2001年10月号掲載
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ストーリーのコンセプト

弊社の市川と打越さん(現スパイク・チュンソフトの打越鋼太郎氏)が企画を詰めていき、「彼女をフッてしまう物語」というコンセプトが定まりました。美少女ゲームというより、昼ドラに近い方向性だったといえるかもしれません。
主人公の健は、ほたる以外のルートに進むとほたるをフることになりますので、当時は「あんなにかわいい彼女がいるのに何事だ」というお声もよくいただきました(苦笑)。

とはいえ、そのくらい強いインパクトがある作品にもできたということで、『Memories Off』というシリーズを決定づけた一本になったと思います。
この頃はまだシリーズを続けていこうという感覚も薄く、出し惜しみせず、今できることはすべてやろうという気持ちで制作に臨んでいました。

シリーズを支えるスタッフの集結

『2nd』からは、それ以降のシリーズにも継続して参加するスタッフが固定化されてきています。
この作品以降、意志や方向性を共有、統一していけるようになったのは大きいですね。
音響制作をサイトロンさんが手がけることになったのもこの作品からで、当時はそこに在籍していた志倉(現 MAGES.代表取締役会長 志倉千代丸)が、キャスティングやサウンドトラックの製作を手がけました。

より色濃くなった舞台設定

物語の舞台は湘南にしよう、というのは一作目から考えていたことではありますが、その色が決定的に強くなったのはこの作品からだと思います。
また、『2nd』はシリーズで屈指といってもいいくらい季節感がうまく出せた作品だと思っています。
夏のけだるい感じが本当にうまく出せたなと。
これも、打越さんが入念にこだわってくださったおかげですね。

同時期の幅広い展開を振り返って

この頃は、本当に手広くなんでもやっていたなと思います。
コンサートを開催し、ドラマCDやOVAを精力的にリリースし、クリーニングCDには、わざわざバイノーラル録音でのかけあいを収録したりしました(笑)。
プレイヤーの皆さんとの旅行企画を実施したのもこの頃でしょうか。
オチバミツアー(=紅葉狩り)や、メモオフ修学旅行といったファン参加のバス旅行をしたり。
修学旅行には白河ほたる役の水樹奈々さんもご参加くださいました。