想い出にかわる君~メモリーズオフ~

電撃G’sマガジン 2002年12月号掲載
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メインキャラを高校生から大学生に

1作目のリリースから3年がたちました。
ずっと遊んでくださっているファンのみなさんと同じくらいの月日を経過させようと、本作ではメインのキャラクターたちを大学生に設定しました。
また、それにともない、物語のメインとなる舞台も学校やアルバイト先ではなく、彼らが集うカフェとなりました。
群像劇の色合いが濃くなったのはこの作品からですね。
そういう意味で、後のシリーズ作品に強い影響を与えた一本になったと思います。

黒須カナタを強く印象付ける演出

本作では、ヒロインを攻略できる順番をある程度制御させていただきました。
そうすることでメインヒロインである黒須カナタの特殊性を強く打ち出しつつ、物語が最終的に彼女と荷嶋音緒の2人の話にいきつくようにしたかったからです。
こうした演出意図は、弊社の市川の強い意思によるものです。
また、制作当時は"月9(月曜夜9時のTVドラマ)"っぽさを模索していたような面もあり、当初は「カナタの声は女優の方にお願いしようか」などという案もありました。

"Memories Off"が副題となった経緯

本作から、キャラクターデザインが輿水隆之さんと弊社の松尾ゆきひろの2人になりました。
また、上記のような(既存作からの)コンセプトの変更や本作ならではの特殊性もあり、本作はシリーズで唯一「"Memories Off"が副題になっている作品」でもあります。
絵柄が変わり、コンセプトも変わったこの作品を正当な続編と位置付けてよいものか? というのを社内で何度も議論して出した結論ですが、今考えると、完成させてみたらちゃんと『Memories Off』だったな、という気持ちもありますね。

既存作のヒロインの再登場

今坂唯笑、霧島小夜美、白河静流の再登場は、最初から決めていました。
決めてはいたのですが、いざ登場させてみるとやはり"強い"んですよね(笑)。
どのキャラも大きな存在感があるので、ヘタをすると本作のヒロインたちが立場を取られてしまいます。
その辺のさじ加減には、特に気をつかいました。
また、再登場という意味では、稲穂信も『2nd』に引き続きの登場となります。
彼は『2nd』の時点で、僕らの中でも「主人公のアドバイザー」として定着した感があります。
作品間を緩やかにつなぐ、いいキャラになってくれたと思います。
彼がいることで「メモリーズオフらしさ」がグッと増すんです。