メモリーズオフ#5 とぎれたフィルム

電撃G’sマガジン 2005年11月号掲載
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コンセプトはミステリー&サスペンス

弊社の市川和弘から「次の新作はミステリー&サスペンスでいこう!」と企画が上がり、スタッフ一同、驚いた作品です(笑)。
とはいえそれも最初のことで、親友の死という謎を土台にしつつ、そこにメモオフらしい人間関係や恋愛模様が絡んでくる群像劇だと聞くと、すぐ納得がいきました。
物語の舞台を再び大学にしたのは『想い出にかわる君』でやりきれなかったことをきちんと描こう、という思いもあったと思います。

麻尋とあすかのダブルヒロイン

『それから』のヒロインはいのりの一人舞台という面もありましたが、一作目は彩花と唯笑、『2nd』はほたるとつばめ、『想い出にかわら君』はカナタと音緒……と、このシリーズは2人のヒロインが並び立つのを意識していることもあり、本作では仙堂麻尋と日名あすかを前面に押し出しました。
ただ、親友の死の謎という本筋に深く関わるのはどうしても麻尋になってしまい、あすかを描ききれなかったという思いもありました。
本作のファンディスク『Memories Off #5 encore』は、彼女のために作ったともいえるかもしれません。

想像以上の人気が出たサブキャラクター

これまでの作品でも、既存作品のキャラクターの再登場はご好評をいただいていましたので、今回は『それから』の木瀬歩に再登場してもらいました。
サブキャラクターからチョイスしたのは、過去のシリーズを遊んでいない方も気にせず楽しめるようにとの思いからです。
前作の物語を経て成長したということで“いい子”に描いたら僕らの想像以上の人気が出て、「歩を攻略させてほしい」というお声までいただけました。
これはうれしい誤算でしたね。

『ユア・メモリーズオフ』への布石

開発と同時に電撃G'sマガジンさんでイラストつき書き下ろしストーリーを連載させていただいたり、OVA『Memories Off #5 とぎれたフィルム THE ANIMATION』の制作に関わったりと慌ただしい日々でしたが、展開に恵まれた作品だったと思ってます。
また、本作から主人公にも明確なビジュアルと声が設定されたこともあり、キャラクターソングは男性キャラのものも制作し、こちらもご好評をいただきました。
これが、シリーズ初の女性向けタイトル『ユア・メモリーズオフ ~Girl's Style~』へとつながっていくことになります。