メモリーズオフ ゆびきりの記憶

電撃G’sマガジン 2010年6月号掲載
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コアスタッフに新たな風を吹き込んだ作品

リードプラットフォームがXbox 360になった作品です。
それによりプレイヤー層も変わるであろうことが予想されましたので、
作品の色も大きく変えるべきなのではないか、という思いがまず最初にありました。
そんな思いから、シナリオライターさんにも新しい方に入っていただき、
キャラクターデザインも森井しづきさんにお願いさせていただきました。
森井さんにはショップ特典などの販促用イラストも多数お願いしましたが、どれもセンスや作家性が強く出ており、シリーズのイメージを大きく変えられたと思います。

ゆびきりシステム誕生の経緯

本作に先駆け、2009年10月に弊社から『STEINS;GATE』が発売されました。
あの作品のフォーントリガーシステム見て「メモオフにも"選択肢らしくない選択システム"を入れられないかな?」とスタッフと考えていました。
本作のゆびきりシステムは、そんなところから生まれたシステムです。
主人公の芹澤直樹、メインヒロインの天川ちなつと南雲霞の関係性や、直樹が"ゆびきり魔"であるという設定はすでに固まっていましたので、後付けというわけではありませんよ!

キャラクターに関する想い出

本作の一番人気は、姫ちゃん先生こと星月織姫ですね。
最初は「背が低い、小さい子っていいよね」くらいの気持ちでしたが、
それがどんどんエスカレートしてこういう姿になりました(笑)。
ちなつと霞は、第一印象とプレイしてからの印象が大きく異なるキャラになったのではないかと思います。
霞はどんどんかわいくなり、ちなつはどんどん怖くなり……と感じた方が多いのではないでしょうか。
二人とも、そのギャップがうまく人気につながってくれたかなと。
リサ・ケイシー・フォスターはシリーズ初の純粋な外国人ヒロイン。
ファンサービスという意図で浜咲学園への短期留学生という設定にしましたが、
直樹たちと違う学校になったことで絡ませづらくなってしまったかな……とちょっと反省しています。

そして最新作『-Innocent Fille-』へ

『ゆびきりの記憶』から7年半ぶりとなる最新作『メモリーズオフ -Innocent Fille-』を制作するにはあたっては、「今作る『メモオフ』はどんなゲームになるべきだろうか」というのがなかなか定まりませんでした。
「このシリーズはこのままでいいのかな?」という気持ちは常に持っていましたが、
それに対する答えがなかなか出せずにいたんです。

そうして見つけた答えは、シリーズの集大成にしようというものでした。
明るいシーンは、明るく。シリアスなシーンは、とことんシリアスに。
今までのよかった要素をすべて取り入れて、なおかつ振り切る……『-Innocent Fille-』は今の僕たちにできるすべてを込めた作品にできましたので、よろしくお願いします!